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その3 にぎりずしの話
すし屋のカウンターで注文すると殆どの店では握りが2個づつ出されると思いま
す。なぜでしょう?これには、いろいろな説がありますが、2個だと寿司が転がりにく いとか、計算するときに端数をなくす為とか言われていますが、今有力だと言われて いるのは、江戸時代に屋台のすし屋が、売上金の貨幣に紐を通して銭形平次の投 げ銭のように一まとめしたものを1貫といい、だいたい手のひらの幅ほどの長さに束 ねていたものと、握りずしの1個の大きさが同じくらい大きかったので、食べやすくす るために2つに切ってお客様にお出ししていた名残だというものです。当時の鮨種は 種類も少なく、食事としてお腹がいっぱいになるようにシャリも握り飯くらいの量があ ったといわれています。
最近では、多くの鮨種を楽しんだり、酒のつまみとして召し上がる方のために、小さ
めに造るのが流行っていますが、鮨種が大きいのに、シャリだけが小さいものを「お 女郎寿司」といい、下品な寿司だという方もおられます。昔、飲み屋のお姉さん方 が、お店が終わったあとに酔客に鮨をご馳走になり、売り上げに応じてバックマージ ンを頂いたことに由来するものといわれます。シャリを極端に小さくして数多く食べさ せ単価を上げている店もあったようです。お姉さんが、帰り際に「マッチください。」と いい、お店から手渡されたマッチ箱には、売り上げの1割程度のバックマージンが入 っている。なんていう話も聞いたことがあります。
握りずしは、シャリと鮨種のバランスが重要です。
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